15.
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『今日どーだったん?』
風呂から上がり、自分の部屋へ戻ってスマートフォンを見るとLINEの通知が一件。美鳥ちゃんからだった。今日、とは部活動の件だろう。
「何か色々あったけど、最終的には清澄くんと廃墟ツアーできたよ」
すぐに既読が付き、返信が表示される。今日どうだった云々は20分前に着ていたようだが、暇なのだろうか。ゲームでもやっている?
『壱花はビビらへんからなぁ。今回もスムーズやったんちゃう?』
「いや、清澄くんがひたすら怖がって大変だったよ。でもあれかな、やっぱり女の子はきゃあきゃあ言って怖がってた方が可愛いのかな」
『いやないわ。怖くないもんは怖ない!好きにしたらええねん。少なくとも上鶴は気にせんよ、絶対に』
一体何の根拠があってそう断言できるのか分からないが、美鳥ちゃんがそう言うのならそうなのだろう。陸上部として1年からの付き合いなのだ。ひょっこり現れた私なんかよりよっぽどよく清澄くんの事を知っているに違い無い。
『ちょっと今手ぇ離せんくなったわ。また明日学校で会おな』
「あ、ああ、ごめんね。おやすみ」
小さく息を吐き、太腿を指でグリグリと揉んでみる。すでに違和感が付きまとう両脚は間違い無く明日には筋肉痛になっていることだろう。
――そういえば明日は体育があった上、何かバレーをやるとか言っていたような気がする。
団体でやるスポーツは苦手だ。
そう心中で呟き、私はベッドへダイブした。何にせよ、今日は疲れたのでもうさっさと眠ってしまおう。