13:遊園地にいこう!
「見て、イーヴァ!」
「何でしょう、ドルチェさん」
恒例、待機室にて。
今回は女性のみしか入れない場所での任務なので、イーヴァとドルチェのみが待機室で暇を潰していた。
そんな折、雑誌を読んでいたドルチェは不意にイーヴァの前へ移動し、その雑誌を広げてみせたのだ。なお、イーヴァは相変わらず無表情で迷惑に思っているのかそうでないのかさえ分からない状態である。
「遊園地!任務が一段落したら、みんなで行きましょうよ。来年の夏くらいに開園するらしいわ」
「来年の夏・・・皆さん無事だったらいいですね」
「物騒な上身も蓋もないわそれ!ね、イーヴァは何が好き?絶叫系?」
ところで、とイーヴァは信じられない言葉を発した。
「ゆうえんち、とは何でしょう?絶叫?リアル狩りゲーのようなものですか?」
「遊園地を知らないの?もう、イーヴァったら人生の半分は損してるわよ!」
「はぁ・・・ドルチェさんにはあまり言われたくない言葉ですね・・・」
「あれ!?怒ってる?怒っているの、イーヴァ!」
うふふ、とドルチェは笑った。最近ではイーヴァが突拍子も無い事を言うのにも慣れた。あめ玉を知らない子だったのだ、考えてみれば遊園地を知らなくておかしい事は無い。
「とにかく、きっと貴方も楽しめるわ。初遊園地ね、ドルチェ」
「・・・ええ、そうですね」