09:チョコチップクッキーがいい
「もうお菓子が無いわ。買い足しましょうよ」
ドルチェ、ギルバード、サイラスの3名は久々の休みにデパートへ買い物に来ていた。なお、車はサイラス運転である。
ドルチェの提案にギルバードが顔をしかめた。
「まだ棚の中にあっただろう。俺は食べないから知らないが」
「あったな。何だっけ?えーと、おかきとか煎餅とか。茶請けになりそうなやつが」
駄目よ、と無粋な菓子の数々にドルチェは嫌悪の色を示す。
「お茶にしか合わないじゃない。もっと紅茶に合うようなお菓子を探しているの」
「俺は饅頭が食べたい」
「えー、ケーキは?」
話を聞く気のないギルバードと、一応提案らしき提案はしてくるサイラス。饅頭はともかく、ケーキは保存が利かないので却下だろう。
「・・・そうだわ、クッキーにしましょう!チョコチップが入ったやつ!」
「煎餅でいいんじゃないのか、それなら」
「いやね、ギル!煎餅とクッキーは全然別物よ」
サイラスが持つカゴの中身は着実に増えていった。