3.





 一度片付いた兵士達を見、キリトが溜息を吐いた。何なんだ、この惨状はとでも言いたいのだろう。

「・・・悪いね、キリト。僕がちゃんと言っておかなかったから、人が来てしまったようだ」
「その割には止めようとしなかったな」

 冷ややかなキリトの視線を受けて、由が苦笑する。
 そして、今度はその瞳がひた、と真白を見据えた。何だ、と思わず身構える。

「で、真白。僕が帰りたい理由、聞きたかったんだろう?」
「うん。きっと、納得する事は無いけれど」
「なかなかに無駄な事を好むね」
「それで?」

 ああ、それなんだけれど。と由は絶対零度の笑みを浮かべた。ディラスにそっと肩を掴まれ、前に出すぎていた真白は後ろに引き戻される。

「聞かないでも分かると思っていたんだけどな。じゃあ、真白もラグも――王様なんていつまでもやっていられるのかな?」
「無理だな。俺は王なんて柄じゃねぇ」
「私が王様になんかなったら、国が終わるわ」

 それぞれの答えに由が顔を引き攣らせる。ああ、こいつ等はこういう奴等だったな、と言外に語られているのは確かだ。
 で、とラグが薄ら笑みを浮かべる。

「それとこれと、何の関係があるってんだ?」
「・・・この世界に対する愛着は無いんだ。辞めたいと思うのは、自然だろう?」
「俺が生きられるのはこの世界だけだ。譲れないねぇ」

 ラグにとっては由の言葉など聞き流すべきものである以外無い。何故なら、彼は本当の意味で生死が掛かっているからだ。一方で真白もまた、帰りたくない。つまり、やはり由から理由を聞き出したとしても無意味だった。
 話は済んだか、と元より由の話になど興味は無かったディラスが口を開く。

「わざわざ王都まで来たんだ。そろそろ用件を済ませよう」

 キリトとディラスの視線がぶつかる。