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格子がついた部屋。それは明らかに人を閉じ込めるという目的があり、座敷牢というか、恐らくそんな類のものだろう。それが分かったからどうという事は無いのだが、問題はその座敷牢に閉じ込められてからすでに3日以上の時間が過ぎ去っているという事だ。
窓が無いので一体、何度朝が来たのかは分からないがどう軽く見積もってもそのぐらいは過ぎている。
「心配してんだろうなぁ・・・後で説教食らうぜ、これ」
「そーんな事言ってる場合?ヤバいってこれ!つか、キリトの野郎絶対に赦さない」
「あー、油断したんだよな。あいつ結局何なんだよ・・・」
そもそも、相手がキリトでなければこんな所に監禁されたりはしなかったのだ。知り合いがいると思えば、まさかいきなり攻撃を仕掛けてくるとは。
「そもそも、ここどこだよ」
呟いたイリヤは盛大な溜息を吐いた。隣で双子のイリスも同じような顔で溜息を吐いている。
――と、不意に部屋のドアが開いた。
食事かと思ったが現れたのは見た事の無い男である。誰だ、とも思ったが纏っている服が一般階級より全然良いものだったので貴族か何かだろうかと当たりを付けた。
「てめぇ、何だよ!」
「・・・ギルバート=ドウェイン」
「・・・・・・はぁっ!?」
それは聞き覚えだけはありすぎる名前だった。
王都にある、王城の主――つまりは。
「王・・・?」
「そうらしいね。まあ、どうでもいいことだ」
否定しないという事は肯定したという事。どこか自嘲めいた笑みを浮かべた王――ギルバートがさらに口を開き掛けたが、背後からもう一人現れた人物により遮られる。
「いつまで無駄話をしているんだ」
何を考えているのか分からない仏頂面と、不貞不貞しい態度。
彼は――
「キリト・・・!」