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「まぁ、とりあえずイリヤ達を見掛けたらあたしに教えてくれ。んで、ちょいと真白っちに耳寄りな情報持ってきたぜ」
「はぁ?」
「煽っていく感じの聞き返し方だよな、ホント・・・」

 何故か肩を竦めたマゼンダは次の瞬間にはにやにやと嗤っていた。これは悪い笑顔だ。あまり関わりたく無い。

「ディラスが――」
「さっきいたよ、ディラス。声掛けても気付いてくれなかったけど」
「はぁ?あの堅物、考え込みすぎだろ」

 マゼンダが今から話そうとしている事とディラスは関係あるらしい。しかし彼だってたまには何か考え事をしたりするだろうに、随分な言われようだ。
 暫し茫然としていたマゼンダは気を取り直したように首を振るとニヒルな笑みを浮かべた。

「ま、楽しみにしてろよ。久々に出掛けられるかもね?」
「別に出掛けなくていい」
「さっき、ラグとは何を話してたの?」

 唐突な質問。この問いに素直に答えてはいけないと本能的に察知した真白は平然と嘘を吐いた。音楽以外に興味は無かったが、それ以前に舞台の上で磨かれた集大成である。

「ディラスがどこに行ったのか捜してたの」
「・・・ふーん。お前等本当に仲良いな」

 ディラスによろしく言っててよ、とそれだけ言ったマゼンダが身を翻す。彼女はいったい何の為に絡んできたのだろうか。