3.





 怖くない、シンシアちゃん?
 そう訊いてきたエドウィンに対し、最年少の少女はこう答えた。

「私は怖くないよ。けど、フレディが心配」
「えっ?そりゃまた、なんで?」

 大袈裟に驚いたふりをしながらも、カーティスはにやにや嗤っていた。スクープの臭いを嗅ぎ付けたのかもしれない。肩を竦めたシンシアは一瞬だけAチームであるフレディを思い浮かべた。

「あの人、怖がりだから」
「えぇ?そうなの?フレディ、企画者じゃなかったかしら?」
「おうおう、確かそうだったぜ。ほとんど聞いてなかったけどな」
「フレディがわけ分からない事を始めるのって、いつもの事だから」

 良い話聞いたぜ、と嗤うカーティスの笑顔は邪気に満ちていた。彼はこういう人間である。そういえば、とエドウィンは視線をサヴァナへ移す。

「ずっと黙っているけど、大丈夫?具合でも悪いの?」
「・・・え?ああいや・・・何でも無い」
「随分と顔色悪いけれど・・・」
「飲み過ぎか?」

 酒の力って恐いよな、とカーティスが嗤う。

「そーいやよ、エリオットの奴が今日はかなり飲んでるらしくてさ。大丈夫かね、サイラスのところ」
「さっき大笑いしてたよ、エリオット」
「ああ、駄目そうだな」

 ヤケ酒かなあ、と呟いたカーティスがまた可笑しそうに笑った。彼のテンションの鬱陶しさもいつもより酷い気がするが、それには触れないでおいた。