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「はいはい、ルール説明しますよ、っと」
チーム分け如きでぎゃあぎゃあ騒ぐ面々を見回したフレディが手を叩いてそう言う。やや静まった。
「はい、まずチームごとにこの蝋燭な。あ、出発する直前に火はつけろよ。途中で消えるぜ」
「もうオチが読めた気がする」
「シンシア、しー・・・。んで、俺が昼の間に病院のどこかに蝋燭置いて来たから、手持ちの蝋燭から火を移して持って帰ってきてくれよ」
それっぽいわね、とエドウィンが歓喜している。彼、中身は男性だからか異常に肝が据わっており、シンシアとしては安心である。自称・保護者はああ見えて怖がりなところがある。
注意事項あるからな、と再びフレディが話し始めた。
「この蝋燭、大体片道分しかねぇから。途中で消えたからって別の光源使ったりすんなよ。前チームの10分後に次のチームは出てくれ。ルートは決まってねぇから、好きに歩いていいぜ。あ、蝋燭の場所もバラバラに置いたから。運が良ければすぐ見つかるかもな!」
他、聞きたい事はとフレディが尋ねるも、誰も何も言わない。
よし、と一人で納得した彼は自分のチームであるAチームに加わった。
「俺等が一番に出るから、次は10分後な!」
こうして、Aチームは蝋燭に火を着けると廃病院の中へ消えて行った。