1日目

5.



 中立――いや、頭が良い人間が使えば武器になる役職、1つ。
 《共鳴者》。怪我が全てリンクする2人組。しかも役職の重複有り。一緒に生き、死ぬまで一緒。

「何だかロマンチックな役職だよね!」
「え・・・!?いや、知らない人と心中とか嫌なんだけど」
「夢が無いなぁ、アイリスちゃんは!」

 そんなこと無いよ〜、と否定したのは何故かフェリクスだった。相変わらず締まりの無い笑みを浮かべている。

「俺とアイリスは最初っから共鳴者だしね〜」
「え?そうなの?」
「いや知らないけど」
「俺が死んだら〜、アイリスも死ぬしぃ、逆も有りかな」
「ねーよ。アホか」

 ここからが重要。勝利とか敗北とか以前に、戦う相手を知らないのは不幸な事だ。
 魔物陣営。役職は2つだが、総合人数は6人になる。
 1つ目、《憑者》。魔物に憑かれている人間。この役職の仕事は仲間以外の一般人を皆殺しにする事である。最終的に《巻き戻し》役職を残し、全ての人間を駆逐すれば勝利。
 2つ目、《統率者》。《憑者》の司令塔であり、根っからの裏切り者。憑かれている連中とは違い、最初から魔物陣営。故に、何度ゲームが変わろうと《統率者》の役職は全て同じ人物である。

「何が恐いかって、これに何の意味があるのかまったく分からない事だよね」

 このサバイバルゲームをやらせて何の得がある?一体どんな目的が?
 それらの一切について、石版は語らない。ただ、こういうゲームがあって、すでに貴方達は強制参加させられているんですよ、と伝えているだけだ。

「――で、アイリスは何か役職に当たったわけ〜?」
「え?」
「知りたいなぁ。大丈夫。もし《憑者》だったとしても〜、俺、絶対にアイリスだけは殺さないし〜」
「信用出来ないな、フェリクスのそういう言葉。平気で嘘吐くし。まあ・・・どの役職も当たってない、と思うけど・・・」

 そう良かったよ、と笑うフェリクスに肩の力が抜ける。あまり危機感を覚えないのは多分、この話があまりに信憑性を欠いているからだろう。