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「ねぇ、月原」
夜の運動場。人気のないそこには月原和幸と須藤司だけが残っていた。時間がかなり遅かったからだろうか、他の部員達は解散を宣言されると同時にさっさと散ってしまった。
「俺さ、さっきはああ言ったけど、本当は何も仕掛けなんて用意してないんだ」
「だろうと思っていたよ。君は嘘を吐いたり誤魔化したりするのが上手だね」
「お前はどう思う?やっぱり本当にいると思う?お化けとか、幽霊とかって」
「いるかいないかは証明出来ないし、しようとも思わないけれど、僕はいるといいなって思っているよ。いつでもね」
ああでも、と月原は笑みを浮かべた。
「心研部の部室には『いる』んじゃないかな。あそこは色々あるからね。いろいろ。学校側が掘り返したくないような」