彼は目の中に瞬く星を飼っている

 それは、無灯志紀が偶然にもどこかへ消えて帰って来なかった日の昼休みである。
 ランダムでやって来る佐伯京也が志紀がいないと悲鳴を上げ、それをからかう河野陽菜。そして眺めている宇佐美禎侑。

「なんでなんで、志紀さんいねぇんスか!?休みッスか?」
「えー、休みじゃないよ。4時間目サボってどっか行ったの」
「ちゃんと見といてくださいよぉ!これじゃ俺、何の為にここへ来たのか分かんねぇッス!!」

 地団駄を踏む京也は本気で残念そうだ。禎侑には理解出来ない程精神年齢が幼い彼だったが、この様子だと志紀とは上手くやっているらしい。
 もちろん、禎侑が気付く程だから陽菜も気付いているのだろう。
 にやにやと嗤う彼女の笑みはいっそ清々しかった。

「なーんで志紀がいないと退屈なのかなぁ、佐伯くんや」
「決まってるっしょ!志紀さんに会いに来たんスから、本人いなかったらいみねぇじゃん」
「あー。確かにね。そーいえば君、志紀に名前覚えて貰えたの?ていうか、顔?」
「もちろんッス!いやぁ、俺愛されてんじゃね?」
「まだまだね!私なんか――」

 明るいが馬鹿っぽいこの会話に混ざるタイミングは今しかない、と禎侑は自嘲気味に微笑んで呟いた。

「陽菜さんは記憶してもらうのに前期全て捧げましたよね。二年生の頃の」
「ぶふぁ!マジッスか!?俺、まだ一週間ちょいしか経ってねーのに!!」

 自分の失態というか恥ずかしい話を聞き、陽菜が笑い転げる。自分の愚行を笑える人間は尊敬に値すると思うが――

「私は・・・貴方達のようにはなりたくないですね」

 明るいのは結構だが。