「シャボン玉・・・久しぶりだな」
真白は呟き、微かに笑った。
こうやってシャボンで遊んだのは小学生の時以来である。
「ねぇねぇ、真白っち!これ超面白いんだけど!!何なのこれ!」
「うえっ・・・吸っちまった。苦ぇ・・・」
「石けん水と水を混ぜると出来るの。まあ、楽しんでるならいいよ」
石鹸という文化を発見した真白は、イリスとイリヤに遊べとせがまれるままに石鹸水を作り、こうやって使うのだと渡した。もちろん、吹く道具はストローを解体して作った。市販の物に比べると劣るが、それでもシャボン玉をしたことがないらしい彼等の間では絶賛だった。
「おらおらおら!小粒ちゃんだぜ!!」
言いながらイリヤが小さなシャボン玉を吐き出す。たくさんのそれはすぐに石鹸の膜が破れて壊れてしまった。これはもっと改良の余地がありそうだ。
大きなシャボン玉を作る。
小さいものより、この大きいものを作る時のスリル感の方が好きだったのだ。
「おぉー!真白凄い。あたしも大きいの作ろーっと」
ふわり、とストローから離れたシャボン玉が浮かび上がり、そうしてすぐに弾けた。