※クレアと真白が出会ったら、というIF
「貴方が《歌う災厄》・・・?子供じゃない」
「そう?私と貴方なんて、さして違いがあるとは思えないけれど」
睨み合う《賢人の宴》序列2位クレアと《道化師の音楽団》が誇る《歌う災厄》真白。両組織の切り札達が揃うこの舞台に観客はいない。あるのは静寂と静かに満ちる殺気だけだ。
「償ってもらうよ。私達の仲間を、たくさん、たくさん殺してくれたよね」
「知らないわ、そんな事。私はただ、歌っていただけよ」
「災厄を喚び込む歌をよく平気な顔をして歌えるなあ。感服しちゃうよ」
可哀相にね、と真白は無表情のままに言った。
「貴方はどうしたって一人だわ」
「《音楽団》が殺してしまったからね」
くすり、と真白が嗤う。
「本当に、可哀相」
そこでクレアは真白の背後からやって来る男の姿に気付いた。その手にヴァイオリンを持つスーツ姿の男。
「私は・・・私は一人だよ。貴方達のせいで」
「興味が無いわ。勝手な事を言うのは好きにすればいいけれど、私達の邪魔はしないで」
そう言った真白の隣に《ジェスター》ことディラスが静かに並んだ。