そ 騒音公害も程々に

 ジャカジャカジャカジャカ。
 深夜2時過ぎ。そんな音が隣の部屋から聞こえて来たアルフレッドは跳び上がった。幸い、住宅地ではないので注意される事は無いだろうが、身内であるアルフレッド自身が耐えられたものではない音。
 恐らくは誰かが楽器を使っているのだろうが、それにしたって時間と場所を考えて欲しい。防音室だってあるのだから。
 一言文句を言ってやろう、と隣の部屋へ。

「おい、煩いぞ!」

 何の防音対策もされていないその部屋にいたのはイリヤとイリスの双子だった。二人同時にこちらに視線を向けてくる。

「あ!アルフレッド!」
「どうしたの、こんな夜中に!」
「「鬱陶しい奴だなー」」
「それはお前達だっつの!何なんだよ、今、何時だと思ってんだ!寝たくねぇならそれでいいから、相応の部屋でやれ!」

 楽器が散乱した部屋で顔を見合わせた双子はまたもや奇跡的なタイミングで話始める。

「いやそれがさ」
「音楽室にねえ」
「「ディラスの奴が」」
「ずーっといるんだぜ?」
「団長、何とか言ってよ」
「そーだぜまったく」
「あの部屋はディラスだけの物じゃ無いのに」

 ぶーぶーと文句を言う双子。しかし、この時間はディラスが毎日あの部屋を使っているのでこういうクレームは後を絶たなかったりする。特にとやかく言って来るのがマゼンダだ。
 ディラスに色々言うのも面倒なので、双子を適当に言いくるめようと口を開きかけたところで再び双子が話し始める。

「そーいえばさ」
「あぁ、うんうん」
「「音楽室に真白もいたよね」」
「はぁ!?真白!?」

 ――《歌う災厄》、真白。彼女の歌声は災厄を喚び込むので、館内で歌うのは禁止しているはずだが。
 ぎょっとしたアルフレッドは踵を返した。
 屋敷は彼のものなので、壊されるのは困る。