あれ、と河野陽菜は首を傾げた。 昼休み、今から弁当でも食べようかと思っていた頃にトイレへ駆けていった陽菜が帰って来てみれば、何やら待っていた無灯志紀が太陽に翳している。 半透明の青い色をした、セロファン。 「――何やってんの、志紀」 「セロファン。何故か鞄の中に入ってた」 「へぇ」 青いセロファン。蒼い空―― ふっ、と志紀が一人で笑った。少し不気味だ。 「真っ青だぜー」 「志紀?ストレスでも溜まってるの?」