ぼんやりと墓石を見下ろすサヴァナを見つけ、エドウィンは声を掛けた。のろのろと首を動かしこちらを見た彼女は平静と変わらないように見える。
「またここに来ていたの、サヴァナ」
「あぁ」
「アドレイド?友達だったもの、ね」
黙って墓石を見下ろしていたサヴァナは不意に顔を上げると辺りをきょろきょろと確認した。そうしてどこか憔悴した瞳でエドウィンを見つめる。
「俺、さ・・・実は狂人だったんだよ」
「・・・そうね。そういえば、誰が占い師を騙っていたのかだけは解決してなかったわね」
占い師を名乗り出たのは二人。アルフレッドとサヴァナである。そして、彼女の自白によれば占い師はアルフレッドでサヴァナは狂人、だという事になる。
「人狼側にトドメを刺したのは、人狼側であるはずの俺だった・・・ってね。笑えないな」
「恐かったの、吊られるのが?」
「いや――勝ち目が薄かったから、裏切ったが正しいのさ。勝ちの薄い勝負に賭ける命なんて無いと思ったんだよ、確かに」
トラヴィスが生きてたら間違い無く吊られてたな、と自嘲気味に笑う彼女。そっとエドウィンは人差し指を立てて静かにしろと伝えた。
「言わなければハーヴィーは気付かないわ。というか、根拠無く人間を吊ったりはしないわよ」
だから、と笑みを消したエドウィンは低い声で呟いた。
「今の話は絶対に誰にも言うな」
・エドウィン:村人
・サヴァナ:狂人