「リンネが殺された」
顔色一つ変えず淡々と言い放ったトラヴィスにさすがの和気藹々としてた場も凍り付いた。
今日で人狼騒動が始まり4日目。昨日が平和だったがためにどこか気の抜けた雰囲気の漂う集会所だったが、遅れて登場した共有者の片割れにより元の緊張感を取り戻す。
茫然とする空気を余所に、やはり指導者は言った。
「霊能者――ハーヴィー。昨日の真白の結果は?」
「・・・真白は狼だった。まずは一匹目だな」
「そうか、僥倖な事だ」
一瞬、トラヴィスの温度のない瞳とディラスの瞳が交錯した――が、それだけだった。続いて占い師達が各々の占い結果を宣言する。
「俺はシンシアを占った。無知なふりをする人狼かと思ったが、結果は人間だったぜ」
アルフレッドの視線がサヴァナに向けられる。凛とした佇まいの彼女は微かに嗤った――ように見えた。
「アドレイドを占った。問いに対する明確な答えを持たない上、人狼を捜すという気持ちが全然感じられなかったからな。が、答えは人狼。残念だが今日はアドレイドを吊ろう」
「なっ・・・!あんた、あたしが人狼だっていうのッ!?」
「そうやって、自分の意見を言わないから占い師に目を付けられるんだ、アド」
ふざけんな、と叫んだ彼女。フレディがそっとシンシアの腕を引いて彼女から引き離した。さすがのエドウィンも苦い顔をしている。
組織組の反応に当てられてか、アドレイドをよく知らない《音楽団》達もどことなく彼女から距離を置いた。
この空気の中、無表情にして平静を崩さないトラヴィスがリンネの代わりに今日の出来事をまとめる。彼は至って冷静だった。
「真白が人狼の一匹目・・・そして、今日の人狼判定。占い師は実質上2人、か。厄介な事この上無いな。ならば今日はアドレイドを吊り、霊能者の判定結果を見よう。占い師の片方は恐らくは狂人だ」
ちょっと待ちなさいよ、と叫んだのはアドレイドだった。叫んではいるが――彼女の中に、差ほど焦りがあるようには見えない。
「弁解があるのならば聞こう」
「ちっ・・・はいはーい、あたし、狩人です。吊らないでください」
きゃはははは、と嗤う彼女に寒々しい気配が満ちる。トラヴィスがそんな彼女の腕を掴んだ。一同を見回す。
「異論は?」
しん、と静まり返った集会所にアドレイドの狂ったような嗤い声だけが響いていた。
初期人数:16
現在人数:11
・アルフレッド=ヴィンディア:占い師?
・イリス:初日犠牲者
・イリヤ
・マゼンダ
・ディラス
・真白:3日目処刑
・ラグ
・リンネ:共有者、4日目犠牲者
・トラヴィス:共有者
・アレン:2日目処刑
・ハーヴィー
・フレディ
・アドレイド:4日目処刑
・エドウィン
・サヴァナ:占い師?
・シンシア